事故で全損になったら、残りのローンはどうなるか
自社ローンでいちばん重い話を書きます。
事故で車が全損になっても、お支払いは残ります。車はなくなるのに、毎月の支払いだけが続く。これが、分割払いで車を買ったときのいちばん怖い状態です。
起こる確率は高くありません。でも、起きたときの金額が大きい。だから買う前に知っておいてください。読んだうえで判断できるように、数字で書きます。
「全損」には2つある
| 種類 | どういう状態か |
|---|---|
| 分損との境目の全損(経済的全損) | 直せるけれど、修理代が車の時価額を超える状態。中古車ではこちらが圧倒的に多い |
| 物理的全損 | 原型をとどめていない、水没した、盗まれて戻らない |
中古車で問題になるのは上のほうです。時価額が低いので、少しぶつけただけでも「全損扱い」になってしまう。
たとえば時価額40万円の車で、修理見積が55万円出たとします。保険会社は40万円までしか払いません。直すなら差額15万円は自己負担。直さず廃車にするなら、40万円を受け取って終わりです。
残りの支払いはどうなるか
ここが本題です。保険金と、お支払いの残りは、別々の金額です。
| 例 | |
|---|---|
| 買ったときの支払総額 | 90万円 |
| 8か月払ったあとの残り | 約64万円 |
| そのときの車の時価額(=車両保険で出る上限) | 40万円ほど |
| 差額(自己負担で残る) | 約24万円 |
車は手元から消えて、24万円の支払いだけが残ります。しかも次の車も要る。これが最悪の形です。
なぜ差が出るかというと、車の価値は買った瞬間から下がるのに、支払いは最初の価格のまま進むからです。これは自社ローンに限らず、信販ローンでもリースでも同じです。
では、どうすればいいか
① 車両保険に入るかどうかを、金額で判断する
車両保険は、保険料が上がります。20代だと年5万円以上変わることもあります。入るかどうかは、残りの支払額と比べて決めてください。
| こういう人 | おすすめ |
|---|---|
| 支払いが始まったばかりで、残りが多い | 入ったほうがいい。差額が大きい時期だから |
| 残り半年を切っている | 外してもいい。残債より時価額のほうが大きくなる |
| 通勤で毎日乗る・高速をよく使う | 入ったほうがいい |
| 週末しか乗らない・車庫が安全 | 相談して決める |
💡 車両保険には免責(自己負担額)の設定があります。「1回目5万円・2回目10万円」のようにしておくと保険料がかなり下がります。小さな傷では使わないつもりなら、ここを大きくするのが効きます。
② 回数を短くする
うちが基本24回(2年)にしているのは、ここにも理由があります。
回数が長いほど、残債と時価額の差が開いている期間が長くなります。60回(5年)で組むと、3年目まではずっと「全損したら持ち出し」の状態です。24回なら、差が大きいのは最初の1年だけです。
月々が下がる代わりに危ない期間が延びる。これが長期ローンの見えにくいコストです。
③ 高い車を買わない
身もふたもないですが、いちばん効きます。支払総額60万円の車なら、残る差額も小さい。
月々から逆算して無理のない車を選ぶ方法は 月々から車を探すページ にまとめています。
全損したとき、まずやること
順番があります。
- 1. 警察を呼ぶ(事故証明がないと保険金が出ません)
- 2. 保険会社に連絡
- 3. うちに連絡
3番を忘れないでください。自社ローンのお車は、お支払いが終わるまで車検証の所有者が当社になっています(名義のはなしはこちら)。
廃車にするにも、保険金を受け取るにも、所有者である当社の書類が要ります。連絡が早いほど手続きが早く進みます。
そして、残った支払いについても一緒に考えます。一括で請求して終わり、ということはしません。月々を下げて組み直す、次のお車と合わせて計算し直す。打てる手はあります。
相手がいる事故なら、話は変わります
こちらに過失が少ない事故なら、相手の対物賠償保険から支払われます。その場合も上限は時価額ですが、こちらの車両保険を使わずに済むので等級が下がりません。
等級が3つ下がると、その後3年間の保険料が上がります。小さな傷で車両保険を使うと、かえって損をすることがあるのはこのためです。修理代が10万円以下なら、使わずに自分で払ったほうが安いケースが多いです。
保険料の仕組みと下げ方は 20代の任意保険を、できるだけ安くする方法 に書いています。
うちが納車のときに必ず話すこと
お引き渡しのときに、任意保険の中身を一緒に確認します。対人対物が無制限か、車両保険をどうするか、年齢条件が合っているか。
保険を売っているわけではありません。ただ、保険が足りないまま乗り出すと、事故ひとつで支払いが続けられなくなるからです。2年間払いきっていただくのが目的なので、ここは必ず見ます。
まとめ
- 全損してもお支払いは残ります。保険金は時価額が上限で、残債との差額は自己負担
- 中古車は時価額が低いので、修理代が時価を超えて「全損扱い」になりやすい
- 対策は車両保険・回数を短く・高い車を買わないの3つ
- 全損したら警察 → 保険会社 → うちの順に連絡。所有者の書類が要ります
- 残った支払いは組み直しの相談ができます。黙って止めるのがいちばん良くない
保険のことも含めてご相談に乗ります。来店は要りませんので、LINEからどうぞ。
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